ホールピアノの手入れと保管

ピアノは、その大きさに反して非常に繊細な楽器です。管理と保管方法によって全く音や弦の調子が変わってきます。いつもいいコンディションにしておいて、「このホールのピアノはとてもいいですね」と言われると、管理者としてとてもうれしくなります。

いつも利用者に気持ちよく使ってもらうためにも、正しいピアノの管理と保管方法を知っておきましょう。

スタインウェイの台車の位置

スタインウェイは、ヤマハと違って台車の支える位置がわかりにくい構造になっています。バランスが悪いとちょっとの段差でも台車が外れたりピアノ本体が跳ねるなど危険なので、正しい位置を覚えてください。

鍵盤側の支え位置はこれくらい。あまり奥までいきません。

先端側は、3本の支柱を支えるようにします。

保管時の脚の位置

保管時は、地震などで移動しないように車輪をしっかりロックします。ただし、ロックを締めすぎると故障の原因になりますので、注意してください。

コンパウンド

ピアノ塗装面に傷が付いたときや、真ちゅう部分を磨くときは、ピアノ用のコンパウンドを使います。コンパウンドを使う布は、ピアノを拭く布でかまいませんが、コンパウンド専用として使ってください。

布に少々のコンパウンドを付けます。

真ちゅうでできている、銘盤や鍵の部分を拭きます。

すると、このように汚れが落ちます。磨くと、真鍮のつやがよみがえります。特に、スタインウェイの横の名前部分は、ピアノの顔でもありますので、汚れたら磨くようにしましょう。

他に、本体塗装の傷を消すのにも使えます。ただし、塗装を削ってごまかすものですので、あまり付けすぎないようにしてください。

ピアノポリッシャー

ピアノポリッシャーは、汚れ落としクリーナーです。プラスチックボトルに入ったまま使うよりも、スプレーボトルに入れた方が使いやすいです。布に少量付けて磨くと、からぶきでは取れない汚れが落ちます。ただし、付けすぎるとかえって拭きにくくなります。

注意
ピアノポリッシャーは、絶対に鍵盤には使用しないでください。指が滑りにくくなり、演奏の妨げになります。

保管時の湿度と温度

音楽ホールで管理していたときの温度と湿度は、以下の通りです。

  • 温度=22度〜27度
  • 湿度=40%〜60%

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