ケーブルの圧着に欠かせない、圧着端子の種類と対応する容量についてです。
圧着端子の表記
圧着端子にはいろいろな種類がありますが、照明機材やケーブルに使われているのは、裸圧着端子の丸型です。通称R端子と言います。
20Aのケーブルに使う圧着端子は、R2-4です。"R"は丸型を表しています。数字はケーブルの公称断面積の大きさです。この場合は"2㎡"で平方ミリメートルと読みます。"sq"(スケア)、"φ"と表記することもあります。
"4"は、端子を取り付けるネジの大きさを表しています。
Sの付く圧着端子
左側が"R2-4S"で、右側が"R2-4"です。数字に"S"の付く圧着端子は、端子のR部分の外形の幅が狭いものです。機材への接続に使用する場合には、幅が均等である方が熱も均一に伝わり、変形が少ないので、"S"の付いていないタイプを使用します。
また、平行のプラグに接続するときにも適しています。
舞台照明で使用される圧着端子の種類
- R1.25-4
- 1.25ミリ平方メートルのケーブルに使われています。許容電流は7Aなので、500W以下の照明機材、家庭用電源コードなどに使用されています。
- R2-4
- 一番良く使う圧着端子です。500Wから1.5kWまでの照明機材はこの圧着端子を使用しています。使用するコネクタ、プラグの種類は、T型20A、C型20Aなどです。
- R3.5-5
- 主に、20A延長コード3m~20m、30A延長コード2m~3mに使用されています。使用するコネクタ、プラグの種類は、C型30Aなどです。
- R5.5-5
- 主に20A延長ケーブル、30Aのケーブルに使われています。
許容電流
圧着端子は端子ネジの種類、使用する電線の種類と大きさが合っていないと接続不良になります。そこからショートすることもありますので、必ず適正なものを使用しましょう。
また、ケーブルについても許容電流に沿ったケーブルを使用しましょう。
より線の公称断面積 (㎡) | 2心 | 3心 |
---|---|---|
0.75 | 12 | 10 |
1.25 | 16 | 14 |
2 | 22 | 19 |
3.5 | 32 | 28 |
5.5 | 41 | 36 |
コヤツキinfoにコメントするのは初めてです。こんな良さげな記事があったのですね。
少し補足させてください。
・電線の断面積(sq,mm2)を「φ」と表記するのは、実際にはよく見ますが誤りです。φは「直径」の意味なので、VVFなどの単線 (毛のようにパサパサしていない、銅1本の電線) の直径表記 (mm) に使います。
・R1.25-4の許容電流は7Aではなく「電線の許容電流に基づく」です。基本的に圧着端子の方が電線よりも遥かに許容電流が高いので、原則は「電線の許容電流そのまま」になります。
・R3.5-* はJIS規格外品なので、3.5sq電線の圧着にはR5.5-*を使用してよいことになっています。つまり、消耗備品の種類を削減するのであれば5.5系に統一しても問題ありません。
・許容電流は必ず電線の種類(2CT, 2PNCTなど)とセットになります。挙げておられる一覧表には電線種表記がありませんが、おそらくVCTか2CTの許容電流でしょう。
舞台照明で現在よく使われる「2PNCT (2種 EPゴム絶縁 クロロプレン キャブタイヤ ケーブル)」の場合、もう少し許容電流が高くなります。
たとえば2sq 2芯の場合27Aです。
・また、許容電流の計算時にはアース線 (C型コンセントの真ん中に繋ぐ線) は芯数に含みません。C型でも「2芯」を参照します。
よって、平行、T、Cの延長コードの作成時には2芯の許容電流だけを覚えておけば問題ありません。
マグロ様
コメントに気づかず遅くなりました。
補足ありがとうございます!
記事の方にも反映させていただきますね。