ピアノの内部構造や置き方

先日行われた、埼玉芸術劇場で開催された舞台フォーラムでは、『舞台で活躍するピアノの魅力を探る』というテーマで松尾楽器商会の技術者の方の解説による、ピアノの調律作業の内容や仕組みなどについて伺うことができました。

普段、漠然と扱われることの多いピアノについて、小屋付きにはぜひ知っていてほしい内容だったので、ご紹介します。

調律師の作業

調律師は、大きくわけて三つの作業をします。

”調律” 音階をつくる

調律は1オクターブを12等分して音階をつくり、88鍵に広げてピアノ全体が共鳴するように整えます。音階をつくることも大事ですが、約240本の弦が共鳴し合うように調律します。
楽器の音は、基音と倍音によって構成されています。弦の長さを半分にすると1オクターブ高い音になり、3/2にすると5度の音程が得られます。

この5度という音階を積み重ねることによってできる音階を、ピタゴラスが発案し、ピタゴラス率という呼び名で使われています。
このピタゴラス率を基準に、弾いたときの倍音の「うわんうわん」という音を消していく作業が調律なのです。

”整調” タッチを整える

鍵盤アクションの調整箇所を加減し、弾き心地を整えていく作業です。鍵盤アクションは、木材・フェルト・革などの天然素材で構成されています。したがって、繰り返しの使用によっても変化しますが、湿温度によっても変化します。

湿温度による変化で鍵盤の深さが0.2mm浅くなると、ハンマーの運動量は1mm減り、弦を打つ力が弱くなり音量や音色、引きやすさに影響します。

”整音” 音色を整える

整音作業を行わないで演奏を続けると、フェルト部分が硬くなり、音色も金属的な音になります。柔らかすぎても、音色の変化が得られません。なので、青い矢印のように針を刺して弾力を持たせます。
このハンマー部分の固さを加減し、音色を揃える作業を整音と言います。

ピアノの内部構造

ピアノを置く位置

ピアノは、置く位置によって、音が全然違います。実際に動かしてみると、向きや角度、前後左右に位置を変えただけで響きや音色が変わってくるのです。また、床の芯があるところとないところでも変わります。ホールの床のどの位置に芯が入っているのか、床下に潜れるようなら一度確認しておくといいでしょう。

キャスターの向き

鍵盤側のキャスターを外側に向けて置くと、ピアノ全体がたわんでしまいます。45度に向けて置くのが一番いい角度です。キャスター位置を調整するときはロックを掛けてからキャスターに手を掛けるように持ち、手前に引くようにゆっくり回していくと動きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です